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今春、立教大学野球部に待望のスラッガーが加わる。横浜ベイスターズ(現横浜DeNAベイスターズ)のエースとして活躍した川村丈夫さん(H7年史学科卒)の長男、太壱(たいち)さんが立教大学経済学部経済政策学科に進学し、父と同じ野球部に入部する。丈夫さんが「神宮でぜひ活躍してほしい」と語れば、太壱さんは「神宮でホームランを打ちたい」と意気込む。湘南立教会が企画した父子そろってのインタビューをお届けする。
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親子鷹といえば、「巨人の星」が思い浮かぶ。父・川村丈夫さんは星一徹が息子の飛雄馬を特訓したように、太壱さんを厳しく指導したのだろうか。
「そんなことはありませんよ。普通の親子のようにキャッチボールをした程度です」(丈夫さん)
それはプロアマ規定があって、プロ選手は退団後も学生野球の指導はできないためだという。
丈夫さんが横浜を引退した時、太壱さんは2歳。それでも、YouTubeなどの動画で父の現役時代の活躍を見て、「父にあこがれて野球を始めた」(太壱さん)という。
その息子だから、投手を継ぐのではとだれしもが思うだろう。
太壱さんは立教小、中学を経て立教新座高では主将を務めた。「最初は投手を目指しましたが、途中では打撃を活かしてセンターに転向しました」と太壱さん。
筆者が打撃の写真を見て驚いたのは、高校生とは思えないたくましい太ももだ。競輪選手ばりの太さで、スイング時にはユニホームがはちきれんばかりだ。
もう一つ、強いスイングに欠かせない秘密があった。背筋力が半端ではないという。たくましい太ももと強靭な背筋力を武器に、太壱さんは「神宮ではホームランを打ちたいんです」と抱負を語る。この言葉を隣で聞いた父・丈夫さんは「神宮に立つ息子を見てみたい」と目を細める。
インタビューには湘南立教会の幹事長、山﨑久美さん(S60年キリスト教卒)と会報委員の浅場崇子さん(S58年法卒)も加わった。
山﨑さんは太壱さんの趣味を聞き出した。
「ぼくの趣味は料理で、得意なのはチャーハンです。家族で一番作るのがうまいと思います」(太壱さん)と野球以外の才能が披露された。
浅場さんは「運動神経は母親から遺伝するとの研究がある」と水を向けると、「母(綾子さん)はとくに運動はしないのですが、潜在的にはそうした遺伝が影響しているかもしれませんね」と太壱さん。
ちなみに綾子さんの父母、村山隆征さん、啓子さんも立大卒(それぞれS43経営卒、S45年教育卒)。村山さんが新潟在住ながら、湘南立教会に入会し、その際、川村父子とのつながりが判明した。村山家、川村家は3代にわたる立教一家なのである。
最後に山﨑幹事長は太壱さんに「神宮に行ったら、湘南立教会のメンバーが『川村くーん、がんばって!』と熱烈に声援しますよ」と確約。太壱さんは「早く一軍に上がり、優勝したい」と力強く語った。
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【プロフィール】 川村丈夫(かわむら・たけお) 立教大学がスポーツ推薦のない時代に神奈川県立厚木高から一般入試で入学。立大野球部から社会人を経て横浜に入団。権藤博監督時代にセ・リーグ優勝と日本一に多大な貢献をした。引退後、横浜で投手コーチを務めた後、BC神奈川監督に就任。今年から横浜DeNAベイスターズの「野球未来創造室」に所属し、野球普及の職務を担当している。
(大家 俊夫 S57年経済卒)