健康ウォーキングの会

2013年3月23日



3月23日、花曇りの朝、22名(男14名・女8名)で大磯駅に降り立った。今回はボランティア協会の斎藤直人さんの歯切れの良いよく通る声のガイド付きウオーキングだ。大磯駅は東海道線横浜~国府津間の延長工事の際、松本順(順天堂医大の前身を作り、健康のための海水浴をすすめた人)が伊藤博文に働きかけ、明治20年に開設された。震災で崩壊、翌年再建された駅舎には広告がなくすっきりしている。大磯には明治時代の政財界に名をつらねた伊藤博文、西園寺公望、山形有朋、陸奥宗光、大隈重信、井上準之助などの別荘があった。駅前の愛宕山には岩崎邸の別荘と澤田美喜記念館がある。立派な建物も時間の経過と共に無くなったり、マンションに建て替えられている所が多かった。気候温暖風光明媚、長い海岸線に黒松が多く植えられて、空気が清々しく思わず深呼吸したくなる。以前サナトリウムがあったのがうなずける。


滄浪閣は改築されて残っているが、山形有朋の別荘跡は大磯中学になっていた。島崎藤村は昭和16年よりこの地に住み、遺稿「東方の門」を書き地福寺に妻と眠る。湘南という名称はこの地を中国の僧が湖南省洞庭湖の南を指す湘南になぞらえたという。松林を背にした砂浜の小公園の昼食には、大磯在住の38年卒三戸さんも加わって下さり、海を見ながら楽しい食事をとった。帰路、樹齢300年の東海道松並木に歴史の重みを感じ、満開の桜や足元に咲く水仙等の花々の中を歩く幸せをかみしめた一日でした。大磯をめぐって偉人達の作った建物は時間の経過と共に細分変化したが、松の木はそのまま大地にしっかり根をおろして時代の流れを見守っている姿が印象に残った。

36年卒 春日 寛子